【道路】占用物件の維持管理基準を強化!!

2025年8月16日

#【自由】道路

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【道路】占用物件の維持管理基準を強化!!


今回は令和7年7月25日に公布されました「道路法施行規則の一部を改正する省令」について整理しましたので記載します。



道路法施行規則の一部を改正

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道路管理者が占用物件の安全性や維持管理の状況について確認できるよう、以下の2点を占用物件の維持管理の基準として位置づける。

・道路占用者は、占用物件の区分ごとに定める時期に道路管理者に対して占用物件の安全性を確認した旨を報告する。

・電柱、電線及び地下管路等の占用者にあっては、道路管理者が定める期間ごとに、点検の実施状況や結果等の占用物件の維持管理の状況に関する事項について報告を行うこと。

公 布:令和7年7月25日 
施 行:令和8年4月 1日

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令和7年7月25日に国土交通省のホームページにおいて「道路法施行規則の一部改正」が、新着情報に掲載されていましたので勉強しました。改正され追加される箇所は下記です。

国土交通省のホームページ(報道発表資料)から引用させていただきます:

"二 道路占用者が、次のイ又はロに掲げる占用物件の区分に応じ、当該イ又はロに定めるときに、当該占用物件の安全性を確認した旨を道路管理者へ報告すること。イ 電柱及び電線並びに水管、下水道管その他これらに類するもの占用の期間が満了した場合においてこれを更新しようとするとき(許可を受けた道路の占用の期間が五年を超えるものにあっては、当該許可を受けた日から起算して五年を経過したとき及び占用の期間が満了した場合においてこれを更新しようとするとき。)。ロ イに掲げるもの以外のもの占用の期間が満了した場合においてこれを更新しようとするとき。三 前号イに掲げる占用物件にあっては、道路占用者が、当該占用物件の点検の実施に係る計画、その実施状況及び結果 その他の当該占用物件の維持管理の状況に関する事項のうち、道路管理者(協議会等(法第二十八条の二第一項に規定する協議会その他これに準ずるものをいう。)が組織されている場合にあっては、当該協議会等。以下このにおいて同じ。)が必要と認めるものについて、当該占用物件の規模若しくは種類その他の事項又は道路の構造若しくは交通の状況その他の事情を勘案して道路管理者が定める期間に一回の頻度で、道路管理者へ報告すること。" (2025年8月16日時点出典:国土交通省ホームページ:<https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_001966.html>)


上記は「道路法施行規則第四条の五の五」に追加される箇所を抜粋したものです。

道路法では、第39条の8に道路占用者は、国土交通省令で定める基準に従い、道路の占用をしている工作物、物件又は施設の維持管理をしなければならない。と記載されています。


この国土交通省令で定める基準というものが、道路法施行規則に記載されておりまして、道路法施行規則第4条の5の5には、「法第三十九条の八の国土交通省令で定める基準は、次のとおりとする。」とあります。その次のとおりとする箇所が、前までは第一項までしかなかったのですが、先ほど引用した第二項以降が追加されたということです。


以上のことを簡潔にまとめますと、下記のとおりとなります。

道路占用者に対して、占用物件の安全性確認報告をすること。また、電柱、電線及び地下管路等の占用者に関しては維持管理状況の定期報告をすること。この新たに2点が国土交通省令で定める基準に追加され、義務化された。

ということです。


追加基準を守らないとどうなる??


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・道路管理者は道路占用者に対して、是正のための必要な措置を実施することができる。

・更に是正措置を守らない場合は、道路占用者は6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金となる可能性がある。

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では、新たに追加される基準を守らないとどうなるのでしょうか??

道路法から引用させていただきます:

"第三十九条の九 道路管理者は、道路占用者が前条の国土交通省令で定める基準に従つて占用物件の維持管理をしていないと認めるときは、当該道路占用者に対し、その是正のため必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。第百三条 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。 一 第三十二条第三項(第九十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して道路又は道路予定区域を占用したとき。 二 第三十九条の九(第九十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による道路管理者の命令に違反したとき。" (2025年8月16日時点出典:道路法:<https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000180#Mp-Ch_8>)


上記は道路法より、第三十九条の九と第百三条の一部を抜粋し引用させていただいたものです。

記載事項を整理しますと、まず基準を守らない場合は、道路管理者より是正措置を命じられます。それでも、従わない場合は、罰則規定があるので、6ヶ月以下の懲役か30万円以下の罰金となる可能性があります。


改正に伴う社会的背景

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・2025年1月に埼玉県八潮市で、下水道管の破損に起因すると考えられる大規模な道路陥没事故が発生した。

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今回の改定の背景としては、2025年1月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故により、道路管理者と道路占用者との連携強化が求められていることが挙げられます。

また、新着情報のページによると地方公共団体が管理する道路については、国と同様の取組(道路管理者による占用物件の維持管理の適正化ガイドライン(令和元年5月30 日))を実施している都道府県は全体の約6割、市町村は約2割にとどまっており、占用物件の管理状況が十分に道路管理者に共有されていない状況にあることも挙げられていました。


今回の事故を受けて、「下水道等に起因する大規模な道路陥没事故を踏まえた対策検討委員会」にて、関係者間におけるリスク情報の共有のあり方等について議論されています。

(参考)下水道等に起因する大規模な道路陥没事故を踏まえた対策検討委員会のリンク

下水道等に起因する大規模な道路陥没事故を踏まえた対策検討委員会では、管路メンテナンス技術の高度化・実用化の方向性(案)として、「第2次提言」や「i-Construction 2.0」等を踏まえ、技術の高度化・実用化により、早期の下水道管路における安全性確保を目指すと記載されています。

第2次提言では、下水道管路の安全性確保のためには管路システムの計画・点検・調査・設計・整備・修繕・改築など全ての局面において、作業安全の確保に細心の注意が払い安全性確保が何よりも優先ということが記載されています。また、マネジメントのあり方としては、点検・調査の「技術化」と技術のコストダウン、DXの推進を着実に進めていかなければならないと記載されています。



道路陥没の発生要因は?

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・下水道に起因するものは、2022年度では約2,600件発生している

・全体では陥没件数は、約10,000件発生している。内、道路排水が原因となったのは、約4割となる。

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下水道によるものは?

今回のニュースを受けて道路陥没に関する要因について調べました。まずは、下水道に起因するものから探りました。

令和7年度版 国土交通省白書から引用させていただきます:

"○これからのインフラ老朽化対策の重要性 埼玉県八潮市で発生した陥没事故のような下水道管に起因する道路陥没等は、2022年度には全国で、約2,600件発生している。我が国では、2012年の笹子トンネル天井板崩落事故を受け、所管のインフラ全分野を対象に、点検ルールを明確化するとともに、メンテナンスサイクルを確立させるため、インフラ長寿命化計画を策定した。これに基づき定期的な点検・診断、修繕計画の反映、計画的な修繕などを推進してきた。今後の老朽化対策にあたっては、人口減少に伴う財政への影響も踏まえ、中長期的対策予算を低減・平準化するため、予防保全型メンテナンスへの転換を加速させるとともに、地域の将来像を考慮したインフラの集約・再編等を進める必要がある。2025年6月の国土強靱化実施中期計画の策定においては、下水道の老朽化対策について、本件事故も踏まえて検討することが位置づけられており、今後、有識者委員会等での議論も踏まえ、インフラ老朽化対策に必要な対策の検討を進めることとしている。" (2025年8月16日時点出典:令和7年度版 国土交通省白書:<https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/r06/hakusho/r07/pdf/kokudo.pdf>)

上記から、下水道に起因する道路陥没事故は2022年度には全国で、約2,600件発生していることがわかります。

また、2025年6月の国土強靱化実施中期計画から引用させていただきます。

"一方、高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化が加速度的に進行する中、著しい劣化や損傷が「災害耐力の低下」をもたらし、災害時に被害を拡大させることが懸念されている。令和7年1月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故は、社会経済活動に大きな影響をもたらしており、来るべき大規模災害に備える上でも対策は急務である。目では見えないほどゆっくりとした速度で、着実に忍び寄るインフラの老朽化は、災害に対する脆弱性を高め、耐力の限界を超えた時、突如としてリスクが顕在化する。このような「災害耐力の低下」と「災害外力の増大」による、言わば「複合災害」とも言える事態の発生を回避するため、「インフラ長寿命化基本計画」(平成 25 年 11 月インフラ老朽化対策の推進に関する関係省庁連絡会議)等に基づき、既に災害耐力の低下が顕在化しつつある老朽インフラの修繕・更新を強力に推進し、予防保全型メンテナンスへの移行を図る。その際、防災・減災対策との一体的な推進により効率的・効果的に取組を進めるとともに、総括原価方式等の料金徴収の仕組みも含め、持続可能なインフラの維持管理体制の構築に向けた検討を進める。また、市区町村界にとらわれない広域的な観点から、複数の分野のインフラを群として捉え、資金面も含めた官民連携やデジタル等新技術の開発・活用によりメンテナンスの効率化・高度化を図る。 " (2025年8月16日時点出典:国土強靱化実施中期計画:<https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokudo_kyoujinka/dai1_chuukikeikaku/honbun.pdf>)


上記から、インフラの老朽化が加速度的に進むなかで「インフラ長寿命化基本計画」(平成 25年 11 月インフラ老朽化対策の推進に関する関係省庁連絡会議)等に基づき、既に災害耐力の低下が顕在化しつつある老朽インフラの修繕・更新を強力に推進し、予防保全型メンテナンスへの移行を図ることが大切だとされています。

白書でも国土強靱化実施中期計画でも「インフラ長寿命化基本計画」、「予防保全型メンテナンス」というキーワードが出ています。

そこで、インフラの老朽化に関して調べていると国土交通省に「社会資本の老朽化対策情報ポータルサイト インフラメンテナンス情報<https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/index.html>」があることを知りました。


社会資本の老朽化対策情報ポータルサイトから引用させていただきます。

"我が国の社会資本ストックは高度経済成長期に集中的に整備され、今後急速に老朽化することが懸念されています。今後20年間で、建設後50年以上経過する施設の割合は加速度的に高くなる見込みであり、このように一斉に老朽化するインフラを戦略的に維持管理・更新することが求められています。 社会資本の現状と将来予測 高度成長期以降に整備された道路橋、トンネル、河川、下水道、港湾等について、今後20年で建設後50年以上経過する施設の割合が加速度的に高くなります。施設の老朽化の状況は、建設年度で一律に決まるのではなく、立地環境や維持管理の状況等によって異なるが、ここでは便宜的に建設後50年で整理します。 " (2025年8月16日時点出典:社会資本の老朽化対策情報ポータルサイト:<https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/02research/02_01.html>)


上記からも、建設後50年以上経過する施設の割合は加速度的に高くなることがわかります。また、上記のサイトには建設後50年以上経過する社会資本(道路橋、トンネルなど)の割合が記載されております。下水道管渠においては、2040年には約34%が建設後50年以上をむかえます。(一般的に建設後50年が社会インフラの耐用年数として知られています。)2023年では約7%なので、今後は老朽化が加速度的に進行します。

色々な資料を引用しましたが、整理しますと、2022年度時点では、下水道の破損などが原因で道路陥没した事象は約2,600件あることがわかりました。また、下水道に限ったことではありませんが、インフラの老朽化が加速度的に進行していることがわかりました。


全体的には?

下記の国土交通省のホームページに各種維持管理実績という欄があり、「路面陥没発生状況」という資料(pdf)が掲載されていますので、それを参考にします。

国土交通省のホームページ<https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/ijikanri/ijikanri.html>

上記の資料を拝見いたしますと下記のようになります。
※出典(道路の陥没発生件数とその要因(令和4年度))

2022年度の道路陥没発生件数は、10,548件です。(国、都道府県、市町村管理道路をすべて含む)

(内訳)
・道路排水施設が原因となったものは、4,223件(約40%)
・道路占用物が原因となったものは、1,787件(約17%)


一方で政令市、特別区などの都市部のみに注目しますと、道路陥没発生件数は、2,721件となり、内訳は下記となります。

(内訳)
・道路排水施設が原因となったものは、520件(約19%)
・道路占用物が原因となったものは、869件(約30%)


上記より、地下埋設物による道路陥没の発生件数は大きな割合を占めることがわかります。特に都市部においては、道路管理者の管理物でない道路占用物が原因となる割合が大きいことがわかります。

今回の道路法施行規則の一部を改正することにより、道路占用物の適切な維持管理が図られ、道路陥没を防ぐことにつながる効果があるのかもしれません。


ちなみにですが、「国土交通省白書」に記載されている下水道が原因とされる陥没件数と、「道路の陥没発生件数とその要因(令和4年度)」に記載されている下水道が原因とされる陥没件数に若干の違いがありますが、どちらが正しいかは私にはわかりませんでした。

わかる方がいらっしゃればコメントいただけますと幸いです。



課題は?

今回のニュースを受けて、個人的に課題を整理しました。

・高度経済成長期以降に整備されたインフラの老朽化が加速度的に進行。

・厳しい財政状況や人口減少、少子高齢化の進展等といった社会構造の変化。
⇒対応策
・予防保全型のインフラメンテナンス

・新技術(AI・ドローン)などを使った省力化

・インフラメンテナンスに関する情報共有を行う「メンテナンス会議」

・維持管理情報のデータベース化

・点検時の安全管理

上記が課題となり、IT技術を用いた最先端技術の導入が課題解決の要になると私自身は考えました。

今後は機会があれば、インフラの長寿命化に対する課題と解決策を整理していきたいと思います。


(参考)道路法と道路法施行規則と道路構造令の役割

今回のニュースは「道路法施行規則」に関するものでしたが、そもそも「道路法」、「道路法施行規則」、「道路構造令」について、それぞれの役割について、あまり理解できていなかったので整理しました。

道路法というものは、「法律」です。国会で制定される最も基本的なルールであり、国道、都道府県道(府道・県道など)、市町村道のすべてに道路法が適用されます。

一方、道路法施行規則というものは、「施行規則」です。道路法施行規則は国土交通大臣が定める規則で、道路法の具体的な実施方法や手続きの詳細を規定しています。

道路法では「占用物件の維持管理をしなければならない」という基本原則だけが定められていますが、道路法施行規則では「どのような基準で維持管理するのか」「いつ報告するのか」「どのような方法で報告するのか」といった具体的な内容が詳しく規定されています。これが法律と規則の役割分担です。


「道路構造令」は政令という種類の「法令」です。政令は内閣が制定するもので、法律よりも詳しく、省令よりも基本的な事項を定めます。道路構造令は道路の技術的な基準、つまり「道路の幅はどのくらいにするべきか」「橋はどのような強度が必要か」「トンネルの高さはどうするべきか」といった技術的な基準を定めています。

つまり、道路法が制度の枠組みを定め、道路構造令が技術基準を定め、道路法施行規則が手続きの詳細を定めるという関係になっています。

最上位に道路法があり、これが全国すべての道路に適用される基本法です。その下に道路構造令という政令があり、技術的な基準を定めています。さらにその下に道路法施行規則という「施行規則」があり、具体的な手続きを定めています。そして最後に、各自治体の条例があり、地域の実情に応じた詳細なルールを定めています。


今回はここまでです。参考になれば幸いです。

ありがとうございました。

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