【生活・暮らし】ポイントとの向き合い方について
今回は、ポイントとの向き合い方について、整理したので記載します。
ポイントとは?
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ポイントは「円(お金)」と似たようなもの
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日本には、「楽天ポイント」、「dポイント」、「ポンタポイント」、「Vポイント」などたくさんのポイントがあります。たくさんの種類があるので、どれが良いのか?と悩みたくなります。どれが一番お得なのだろうか?
それは、スーパーと同じなのかもしれません。どこのスーパーが安くて美味しいのか?どこの店がセールを出してお得なのか?そのように悩まれている方は少なくないかもしれません。種類が多いと悩むのは人間の特有の性質だと思われます。
では、スーパーとはどんなところですか?この質問に対しては、直感的に食料品などの物を買うところだと多くの方は答えられるかと思います。
では、ポイントはどうでしょうか?ポイントとは何でしょうか?ポイントはポイントで、それ以外なにでもない!と言われればそうかもしれませんが、
私は、ポイントとは「円(お金)」と似たようなものだと考えています。
ポイントの歴史
ポイントの歴史は、恐らく多くの方が想像するよりもずっと古く、商取引における「お得意様への特典」という考え方から始まっています。 日本では、1960年代からスタンプカードが普及し始めました。買い物をするとスタンプを押してもらい、一定数貯まると商品と交換できる仕組みです。これが現代のポイントシステムの原型と言えます。
デジタル化が進んだ1990年代後半になると、クレジットカード会社が本格的にポイントプログラムを展開し始めました。そして2000年代に入ると、楽天やAmazonなどのECサイトの台頭とともに、ポイントは私たちの生活により身近な存在となっていきました。
ポイントの巧妙なテクニック
上記のとおり、ポイントはスタンプカードのように、物と交換することができます。一方で、私たちは、「物」を「円」という日本人共通の数値で表示し交換を行うことにより、
「物」を手に入れることができます。
つまり、「物」と交換する道具を「円」(お金)とするならば、ポイントも円と似たようなものだと言えます。
しかし、お金とポイントとでは異なる点もあります。
それは、ポイントには、
『お金とは異なる心理的制約がある』ことです。
科学的な理由を下記で紹介します。
心理学的メカニズム
所有効果(エンドウメント効果)
1970年代にリチャード・セイラー教授により提唱された理論です。人は自分が所有しているものに対して、実際の価値以上の価値を感じる傾向があります。実験では、所有しているマグカップの価値を、持っていない同じマグカップの2倍程度に評価する結果が出ています。ポイントも「自分のもの」という所有感が強く働くため、現金以上の価値を感じやすいです。
プロスペクト理論
ダニエル・カーネマン教授とエイモス・トベルスキー教授による研究です。人は利得(得すること)よりも損失(損すること)に対して約2倍敏感に反応します。ポイントを使う時は「得している」感覚が強調され、現金を使う時の「損失感」が軽減されます。
報酬の間欠強化
B.F.スキナーの行動心理学の知見です。不規則な間隔で報酬(ポイント)が与えられると、その行動(買い物)への動機づけが強まります。ポイント還元率が日によって変動することで、この効果が高まります。色々な心理的な要因がありますとおり、現金よりポイントの方がお得感が人間は感じられるようです。この事実をもとに、企業は支出を促すように戦略を立てられています。
企業による巧妙な活用
上記の心理的なメカニズムを利用し企業は戦略を下記のように立てるようです。
スカラビリティ錯覚
ポイントの数値を実際の金額よりも大きく設定することで、価値を過大に感じさせます。
例:1円=10ポイント等
チャンク効果
ポイントを細かく分割して付与することで、獲得の喜びを複数回味わわせます。
例:基本ポイント+ボーナスポイント+特別ポイント等
限定効果
期間限定ポイントや使用期限を設けることで、緊急性を創出します。これは「損失回避バイアス」を利用した手法です。早くポイントを使わなければ、失効してしまうため、損失になる。
だから、買い物をしなければ損!という心理を戦略に盛り込んでいます。
以上より、ポイントとは支出を促すための企業の戦略に過ぎないということも留意しなければならないことかもしれません。
ポイントとの向き合い方
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・無理に貯める必要はない
・なるべく早く使う
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ポイントとは、どこまでも企業戦略の一つであり、消費者に消費行動をとらせるための戦略です。そのため、本来であれば、消費者にとって商品を購入する点においては、「円」として安い購入方法がお得なはずです。
例えば
下記の2種類のコーヒー缶があるとします。
・100円で買えるコーヒー
・110円で買え、10円分のポイントが戻ってくるコーヒー
どちらも同じ金額のように思えますが、
円で管理した方が、消費者にとっては管理の面ではシンプルで優れていると思います。総合的に考えて、「100円で買えるコーヒー」の方が私はお得だと考えます。だから、商品を購入するときは、ポイントに惑わされることなく、安い金額のものを購入することが本来は良いはずです。
(※実際の購入時はポイント還元が多くて、大幅に安くなる場合もあるので、判断は難しいのですが。。。)
上記の例のようにポイント還元も含めて同程度の金額になる購入方法があるのであれば、「円」として安い方が管理の面ではシンプルで優れている選択だと考えます。
また、現金よりクレジットカードの方が決済の管理面では優れています。それは、履歴が残るからです。家計簿もクレジットカード決済の方が管理しやすいということを以前説明したこともあります。そのクレジットカードによる決済をすると、ポイントがついてくることがほとんどです。ポイントは全て捨ててしまえ!とは思いません。大事なことは、そのクレジットカードに紐付くポイントは、勝手についてきた!ということです。
ポイントを自らの意思で獲得しているわけではありません。例えば、ポイント獲得のために必要でない物やサービスを消費するなどは、本末転倒だと思います。
必要な支出をするために、効率的な決済手段としてクレジットカードを使用することが大切だと思います。無理にポイントを獲得する必要はないと考えます。
なお、ポイントは貯まったら、その都度使う方が良いと考えます。なぜならば、ポイントを使用することで支払う「円」を少しでも減らせるからです。「円」は日本共通の価値を示す数字で、ポイントよりも汎用性が高いからです。
ポイントとの向き合い方は、
・無理に貯めない
・ポイントは、なるべくすぐに使えるところで使う
そのようにポイントに固執しすぎてしまう方は、少し距離感をあけて過ごしてみると、自分自身の意思で本当に必要なものを必要なときに支出できるかもしれません。
★★ポイント管理が得意など、人によって個性があるかと思いますので、最終的な判断は人それぞれかと思います。★★
参考になれば幸いです。
今回はここまでです。
ありがとうございました。
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